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ホームがある。目標とする生き方がある。鎌倉で見つけた、大切にしたいヒトとコト。

鎌倉で豊かに働く人

碇野 馨梨さん(村式株式会社/レストラン zebrA)

掲載開始:掲載終了:2018年1月31日通算アクセス数:2,693 ビュー

週4日はIT企業の広報として、夜はレストランのスタッフとして働く、碇野(いかりの)さん。なぜ、そのような働き方をしているのか、それぞれの職場から、どのようなことを感じているのか、インタビューを行った。自分の感性に真っすぐに、仕事、仲間、自分の生き方と向き合っている姿が素敵でした。

Q:現在、どのような働き方をしているのでしょうか?

週4日は村式というIT企業で主に広報の仕事をしながら、夜は大町にある夫婦経営のレストランのスタッフとして働かせてもらっています。

Q:なぜ、そのような働き方に?

これまでは、村式一本で働いていましたが、自分のやりたいことについてずっと悩んでいて、鎌倉のとある女性との出会いをきっかけに、働き方を見直すことにしたんです。

Q:その女性とは?

Yさんといって、日替わり家庭料理のお弁当屋さんをやっている方なのですが、その方のご飯に出会って、色んな価値観が変わったんです。

Q:どんな風に変わったのでしょうか?

これまでは、仕事の忙しさもあって、食べることが作業になっていたんです。 お昼はいつもコンビニや冷凍食品で済ませたり、しかも偏食家で…。それが、Yさんのご飯を食べてから、これまで食べてこなかったものや、避けてきたものが食べられるようになったんです。普段自分からは選ばないものを、食べやすいメニューにしてくれて、苦手だった「卵焼き」も食べられるようになりました。笑。それから「むかごご飯」とか、これまで知らなかった食との出会いが楽しみになりました。

Q:そこからなぜ、レストランで働くように?

食に対する考え方が変わっただけでなく、女性がひとりでお店を切り盛りしていること、人に食事を通して色々なものを提供している姿に、キュンとしたんです。私もそんな働き方がしてみたい、と理想を持つことができました。そんな相談をYさんにしたところ、今働いている夫婦経営のレストランを紹介してもらって、働かせてもらうことになりました。

Q:レストランで働いてみてどうでしたか?

勉強になることばかりです。村式は、社長が常にメンバーそれぞれの能力を信じて任せきっていて、上下関係を気にしない会社だったので、意外と個人裁量での仕事が多かったんです。皆自立していて、自分のことは自分でやっているので、周りに気を遣いすぎることがなく、とても自由な風土なんですが、 レストランでは、仲間やお客様の状況や背景に思いを寄せたり、求められているものを「瞬間的に察する」ことを一番大切にしているのだと、奥様の働く姿から学ばせてもらっています。本当にそれが素敵で。 デスクワークだとお客様のことを「察する」作業には結構時間をかけることができるので、接客業のスピード感はすごいなと思います。

Q:一緒に働く中で感じ取ることが多いんですね。

はい。料理はもちろん、夫婦の関係、仕事に対する向き合い方が素敵で、尊敬しています。焦らず自分たちのペースで、コツコツと丁寧にお客様との信頼関係を築いている、真摯な姿勢がとてもいいなと思うんです。 それを受け止めて、お店を見守ってくれているお客様がいる。そんな人たちに愛されて存在しているんだな、ということを働きながら感じています。

Q:レストランでのお仕事がとても充実していることが伝わりました。それにしても、元の会社はよくこの働き方を認めてくれましたね。

メインで働いているIT企業は、社長をはじめ、30代のおじさんたち(笑)が人の話を真っすぐ聞く会社で、社員がやりたいことを本気で応援してくれる会社なんです。だから、私がレストランで働きたい、と言った時も、しっかり話を聞いた上で背中を押してくれました。

Q:今の会社との出会いは?

学校を卒業後、初めて入社した会社なんですが、実は一回、選考で落ちているんです。その時、「あなたには、とてもシンパシーを感じましたが、育ててあげる環境を用意することができないので、今回はご免なさい」という主旨のお詫びのメールをもらったんです。その文章がとても想いのこもった丁寧なもので、感動のあまり思わず泣いてしまいました。その後しばらくして、縁が繋がって働くことが出来たのが今の会社です。

Q:どんな魅力を感じていますか?

入社当初、私にはできることが無かった。それでも、「気があいそう」という理由だけで「仲間になろう」と言って迎えてくれた。面接の時、子どもの頃の話や、好きなものの話などで盛り上がり、打ち解けあってから「何がやりたいですか?」と聞いてくれた。30代のおじさんが(笑)、一生懸命、丁寧に人に向き合う、そんな姿勢に感化されて、私自身も恥ずかしがらずに自分のことを素直に話せる。会社は私にとっての「ホーム」であり、一緒に働く人達は大好きな存在なんです。

Q:変化や葛藤、対立はないのでしょうか?

会社の事業の方向性や、その中での私の役割は、変化を繰り返してきました。周りに迷惑をかけたり、ぶつかり合うこともありましたが、根っこでつながり、信じているからこそ一緒にいられるし、なにより、会社を通して出会えた人たちのことが皆大好きです。「何をするか」より「誰と一緒に働くか」を大事にするスタンスは変わっていませんね。 ただ、昨年から加わった女性の影響で、変わってきたこともあります。豊富なキャリアを持つ素敵な上司なんですけど、「楽しく働けているか、心地よい状態で生きているか」という問いをいつも投げかけてくれます。うちの会社は「社員の半数が役員」という時代が長かったせいか、どうしても自分の何かを犠牲にして仕事に没頭してしまうことがありました。そんな無理をしがちな人のことを思いやってほぐしてくれていて、トイレに行く間を惜しんで仕事をしていた人が、カフェに出かけるようになったり、変わってきた面もあります。

Q:最後にひとことお願いします

実家が横須賀だったこともあり、鎌倉は地元の延長のような気持ちで感じていました。職場は私にとってホームなんです。そしてそこで大好きな人たちと一緒に仕事をしながら、まちに目を向けた時、憧れる生き方をしている人達とであうことが出来ました。そして更に、そのお店を大事に思っている地元の人たちとの出会いもありました。そんな嬉しい出会いが増えた時、自分にとって鎌倉という土地が、大好きな土地になりました。ここで得たことを大切にしながら、私自身が楽しい場を作っていける人になりたい。それが今の目標です。

編集後記

「スローガンだけ言われてもピンとこない」碇野さんが仕事を探している時、情報の海の中でそう感じたそうだ。人の話を真っすぐに真剣に聞く。相手の存在をしっかり受け止める。そんな人と人の関わりから自分の「ホーム」が出来たという。レストランでのお話からは、言葉無くとも「察する」ことで相手のことを理解し、関係を作っていく醍醐味が伝わってきました。「仲間と根っこで繋がる」ことで生まれる安心感とエネルギー、「一緒に働く」ことで得られる学びの深さを感じました。碇野さんがどんな楽しい場をつくっていくのか、とても楽しみです。

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